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紅茶の不思議

私は、以前はコーヒー党だったが(さらにその前は紅茶党だったが)、最近、紅茶党になった。
数ヶ月前から、朝は欠かさず紅茶を飲むようになった。
紅茶には、コーヒー以上に中毒性があるような気がする。

英国に紅茶が普及しだした18世紀当時、英国内の紅茶は、ほとんどが中国からの輸入に頼っていて、中国との貿易によって英国内の経済がひっ迫する程になっていたため、19世紀に入り、英国は自国民が紅茶中毒にされた仕返しに中国人をアヘン中毒にして、アヘン戦争に至ったとも言われている。(アヘン戦争は、またの名を紅茶戦争とも言われている)

いずれにしても、イギリス人の紅茶中毒は現在まで蔓延し、英国人にとって紅茶は無くてはならない物であり、「三度の飯より紅茶」なのである。
顕著な例としては、災害時の炊き出しで、日本ならおにぎりと豚汁などが出るだろうが、イギリスでは食事ではなく、まず紅茶が出るそうだ。(アメリカならホットドッグか?)

紅茶やコーヒーというと嗜好品に類すると思うのだが、イギリスでは主食というか生活必需品というか、無くてはならない物らしい。

緊急時にも食べ物ではなく紅茶、というところは日本で言うところの「武士は食わねど高楊枝」と同様の一種の美学か?とも思ったが、そうではなく、イギリス人にとって本当に紅茶は欠かせない物のようだ。
紅茶は、よほど中毒性が高いのか、イギリス人が変わっているかのどちらかだろう。

イギリスでは、朝はまず紅茶、そしてパンまたはビスケットで簡単な朝食。
午前のお茶の時間(10時頃)にも飲んで、昼食後の午後のお茶の時間(3時頃)にも飲んで、といった具合に、1日に少なくとも2〜3回は飲むようだ。

また、来客時には、必ず紅茶を出してもてなすそうだ。
ただし、カフェインで寝付きが悪くなるのを避けるため、夕方以降はあまり飲まないそうだが、夜間、「禁断症状」は出ないのだろうか?

とはいえ、最近はアメリカ文化などの流入で、コーヒー人口も急増し、紅茶の消費量が減少しているそうだ。

イギリス人の紅茶の飲み方は、基本的にはミルク・ティーだ。
ミルクは温めない。イギリスにレモンティーは無い(と言ってもいいだろう)。
ミルクも我々が考えるより多く入れるようで、コーヒーのカフェオレのような感じを想像すればよいだろうか。

長年、英国では、温めたカップに紅茶を先に入れるか、ミルクを先に入れるかで、意見が二分していたらしいが、つい最近の研究で、熱い紅茶の中に冷たいミルクを注ぐと化学変化で成分が壊れるが、逆の場合には壊れないとの研究結果が発表され、「ミルク先派」に軍配が上がったそうだが、こればかりは好みや習慣があるだろうから、化学で割り切れるものではない。(ちなみに、私は、紅茶はストレートで飲む。砂糖も入れない。)

英国に長く住んでいた知人から聞いた話によると、古来イギリスでは、熱い紅茶をティーカップの受け皿にあけて、フーフー冷ましながらすすったのだそうだ。
そんな馬鹿な!?と思ったが、英国製のいわゆる一流ブランド品のティーカップでは、カップの内容量がそっくり受け皿に入るようにできているから、試してみるよう言われ、水を入れて試したところ、カップの中の水がピタリ受け皿に収まるではないか!(お疑いの方はウェッジウッドなどのティーカップでお試しを!)

信じられないような「お行儀の悪い飲み方」だが、「マナーの国・英国」では、これが作法だったのだろう。
欧米人から見れば、日本の茶道の茶碗を回転させたり、回し飲みしたりするのも不可解かもしれないから、文化や風俗は国によって色々ということか。

それにしても、イギリス人というのは、何とも変わった理解しがたい民族のように思える。

余談だが、英国では、ビールは冷やさないで飲むのだそうだ。
ぬるいビールは如何なものだろうか・・・



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